「30代ですが、地元に帰りたいと考えています。でも、地元にUターンするのは『甘え』だとも感じていて、踏み切れずにいます。」
その気持ち、すごくわかります。私も34歳のときに、地元にUターンしましたが、理由があって地元を離れたのに、わざわざ戻ることには抵抗がありますよね。
地元にUターンすることは『甘え』なのか。
私自身の経験に照らすと、その表現は「半分正解で、半分間違っている」と感じます。
Uターンは『甘え』だけど、『甘え』じゃないということですか?
そうです。確かに、私がUターンを決めた理由には『甘え』の要素がありました。でも、実際のUターン転職は決して甘くないからです。
『甘え』の要素があるからと言って、地元へのUターンを否定してしまうのは、もったいないと思います。
『帰ることができる地元がある』というのは、とても幸せなことなんですから。
この記事では、
- 『甘え』と言われても仕方ない私のUターン理由
- Uターンそのものは甘くない理由
をお伝えします。
私は親元を離れて夫婦共働きの子育てをすることに限界を感じて、34歳で地元にUターン転職しました。
この記事を読めば、「地元へのUターンはありかも!」と思ってもらえると思います。
ぜひ、参考にしてみてください!
「地元に帰りたい=甘え」ではない
①なぜ「地元に帰りたい」は甘えだと言われるのか
そもそも「地元に帰りたい=甘え」と言われるのは、なぜでしょうか。
もしくは「地元に帰りたい」と思う自分を「甘えている」と捉えてしまうのは、なぜでしょうか。
それは、「東京に住んでいる」ことを「競争社会で頑張ってきた証」だと考えているからです。
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例えば、私は大学進学と共に上京しましたが、
- 「受験を勝ち抜いたら、東京に住める」
と考えていました。
受験という厳しい競争で頑張った結果が「上京すること」だと捉えていたんですね。
大学卒業後に大手全国メディアに記者として就職して地方配属になった後も、同じ考え方をしていました。
- 「地方の支局で頑張ったら、東京の本社に早く異動できる」
競争社会で頑張ることと、東京に住むことをリンクさせて考えることに慣れきってしまっていたんですね。
こうした考え方をしていると、東京を離れて地方に行くことは「頑張って上を目指すことをやめて、スタート地点に戻ってしまう」ような感覚があります。
だから、「東京を離れて地元に帰りたい→頑張ることをやめてしまった→甘えている」という発想になってしまいがちなんです。
確かに「東京は頑張った人が行ける場所」という意識はありますね。
そうですよね。「都落ち」なんて言葉もありますが、特に地方から上京した人にとって、東京を離れることは、自分の頑張りを否定する意味合いを持ってしまうんですよね。
②東京を目指して頑張ることだけが正解ではない
でも、冷静に考えてみてください。
東京に留まったり、目指したりすることだけが、唯一絶対の人生のゴールではないんですよ。
だって、「進学」や「出世」は人生の一部ですから。
学生の時は勉強だけが人生のすべてだったので、東京の大学を目指す。
独身の時は仕事が人生のすべてだったので、東京の本社を目指す。
でも、今は「勉強」や「仕事」が人生のすべてですか?
違いますよね。きっと、「家族」が一番になっていると思います。
仮に「家族」が人生のすべてだったとしたら、そのために東京を目指しますか?
きっと、別の選択肢もでてくるはずです。
確かに家族のことを最優先にするなら、地元に帰るという選択肢もありです。
そうです。言ってみれば、「戦略的な離脱」です。
だから、そもそも「地元に帰りたい=甘え」なんて思わないでください。
私のUターン理由が甘いワケ
他の子育て中の共働き夫婦からしてみれば、私のUターンは「甘えだ!」と言われると思います。
なぜなら、Uターンした大きな理由の一つが、子育てで親を頼りたかったからです。
①子育てを親に助けてもらいたかった
私たち夫婦は同じ地元の出身ですが、結婚後に住んでいたのは別の地方都市でした。
そこで長女が生まれ、夫婦共働きの子育てが始まったのですが、次第に限界を感じ始め、34歳のときに地元にUターンしました。
大きな理由の一つは、親の助けを借りながら子育てをしたいと思ったからです。
- 夫婦どちらも対応できない時に保育園にお迎えに行ってほしい
- 休みの日に実家に泊まりたい
- 休みの日に子どもと一緒に遊びに出かけたい
同居する訳ではないですが、いざという時に、子育てで夫婦以外に頼れる人がいるというのは、精神的負担が全然違うと思ったんです。
夫婦共働きでの子育てって、本当に大変ですよね。
大変ですよね。実際にUターンした後は、両親に子どもたちの面倒をみてもらうことが多くて、本当にありがたく思っています。
私も正直、「甘えすぎかな」と反省する時もありますが、Uターンする前のあの辛い時期には、もう戻りたくありません。
Uターン自体は決して『甘くない』理由
このように私が地元にUターンした理由には、「親に子育てを手伝ってもらおう!」という、すごく甘えた気持ちがあったわけです。
なので、親元を離れて子育てをしている方からすれば、「甘えるな!」と言いたい気持ちは理解しています。
でも、こうした甘い動機があることだけを持って、地元にUターンすること自体が「甘い考えのヤツのすることだ!」と思われるのは心外です。これには明確に「NO」と言いたいです。
①地元=甘い場所ではない
確かに地方は、大都市と比べて、働き方がホワイトな傾向にあります。私もUターンして、ゆとりが生まれました。
でも、それをもって、地方は「大都市よりも甘い場所」だと考えるのは間違いです。
- 仕事の厳しさは大都市でも地方でも同じ
- 地方でも競争は激しい
- 地方にも嫌な人は当たり前にいる
地元だからといって、甘えた仕事や生活が許されるわけではないんですよね。
それこそ、地方で暮らすのは、そんなに甘くありません。
確かに、大都市でも地方でも、頑張らないと生活や仕事は成り立たないですよね。当たり前ですよね。
そうです。「地方=甘い場所」なんてことは全然ないです。
②ライフスタイルの選択の問題
「Uターンすることが甘え」という考え方の背景には、「地方は人生のスタートで、大都市にいることが人生のゴール」という考え方があるのではないでしょうか。
確かに、私も大学進学のために上京するときには、そんな意識がありましたが、今ではそんな考えは全くなくなりました。
- パートナーや子どもを持つと生きる目的は変わる
- 大都市に住むことが人生の正解ではない
- 大都市の良さと地方の良さは違う
- 地方で実現できないことあるが、大都市で実現できないこともある
地元へのUターンは「甘え」ではなく、生きる場所を改めて自分で選択するための戦略的な行動なんです。
確かに、大都市こそが目指すべき場所という風潮はありますよね。
そうですよね。でも、『人生ゲーム』みたいに、皆が同じ場所をゴールに設定する必要はないと思います。
③30代のUターン転職は全然甘くない
私の体験を振り返ってみて、「Uターンする自体が甘えとは言えない」一番の理由はこれです。
Uターンしたくてもできない人って、結構います。特に30代を超えると、しっかり熱量を持って転職活動をしないと、Uターン転職はかなり難しいです。
- 地方はそもそも求人や職種が限定的
- 地方では『35歳転職限界説』は健在
- 子どもが大きくなるほど移住しづらい
- 40代以降の転職は高度な専門性が必須
「地元へのUターンなんて、いつでもできる」なんて思っていると、手遅れになってしまうかもしれません。
確かに、地元に帰りたいと思っても、そもそも自分にできる仕事があるのかどうか、不安です。
そうなんです。だからUターンできるのは、頑張って仕事をしてきた証拠なんですよ。全然、甘い考えの人ができる行動じゃないです。
まとめ:甘えたくて地元に帰りたくても、Uターン自体は甘くない
私がUターンした理由に「子育てを親に頼りたい」という甘えた気持ちがあったことは事実です。
でも、30代で地元Uターンすることは、誰にでも選択できる甘い行動ではないんです。
だから、地元にUターンを検討しているなら、甘えたい気持ちがあることはきちんと自覚しつつ、前向きに行動してみてはどうですか。
地方で暮らすのは、結構いいですよ。
「帰ることができる地元があるのは、とても幸せなことなんだ」と、しみじみ感じています。
以上、『「地元に帰りたい」は甘え?30代で子育てUターンした私の体験談』という記事でした。